今では日本で当たり前にあるヒップホップダンス。
このヒップホップダンスはどうやって始まったのでしょう。
ここでは日本におけるヒップホップダンスの歴史についてご紹介します。
ヒップホップとダンスの歴史は別
下記でヒップホップの歴史について書いているのですが、ヒップホップとヒップホップダンスは意味が異なります。
- ヒップホップ・・複数の要素からなる文化を意味する
- ヒップホップダンス・・ダンスの種類(名前)を意味する
ヒップホップもヒップホップダンスも歴史としては通じるのですが、この2つが混同しないようにしましょう。
ここではダンスの名前であるヒップホップダンスの歴史についてご紹介します。
どのようにヒップホップダンスが始まり、日本で踊るようになったのか歴史を次の項目から見ていきましょう。
ヒップホップダンスが生まれた歴史の流れ
ヒップホップダンスの歴史を知るために、まずはストリートダンスの歴史や時代を理解しましょう。
ストリートダンスは、ブレイクダンスやロックダンスなどがあり、ストリートダンスの中でもヒップホップダンスは歴史的に新しいジャンルです。
- オールドスクールの流行(1970年代~)
ブレイキン、ロック、ポップ、ワックなど - ミドルスクールの流行(1980年代後半~)
ニュージャックスウィング、ビバップなど - ニュースクールの流行(1990年代~現代)
ヒップホップ、ハウス、クランプなど
このようにストリートダンスの歴史を見ると、時代によって流行っていた音楽とダンスがあるのがわかります。
ヒップホップダンスは歴史的に古いブレイクダンスやあらゆるダンスの影響を受けて生まれています。
オールドスクールの歴史
1980年代までの音楽はオールドスクールと言われ、ヒップホップ文化の黎明期です。
ダンスの歴史でオールドスクールというのは、1970年代~1980年代に生まれたストリートダンスを指します。
ヒップホップの文化から発生し流行したダンスとして、ブレイクダンス(ブレイキン)・ロックダンス(ロッキン)・ポップダンス(ポッピン)があります。
日本ではこの3つのストリートダンスがオールドスクールと呼ばれています。
ミドルスクールの歴史
ミドルスクールは日本独特の呼称です。
海外ではミドルスクールという歴史はなく、1970年代~のオールドスクールと1990年代~のニュースクールの2つしかありません。
1990年代後半から2000年になってさらに新しいダンススタイルが出てきました。
そのため日本でのストリートダンスの歴史として、1980年代後半~1990年代初頭のヒップホップダンスをミドルスクールと呼びます。
この時代はゴールドエイジとも呼ばれ、ヒップホップ文化の全盛時代です。
ちなみにこの時代にヒップホップダンスの基本ステップである、ランニングマンが生まれています。
古い歴史のあるヒップホップダンスの王道のステップですね。
ミドルスクールは、テンポの早い曲で軽快なステップを多用して踊るスタイルが流行しました。
主にニュージャックスイング(躍動感のあるダンス)やビバップ(ジャズの一形態)というダンスがあります。
ニュージャックスイングは音楽ジャンルでもあり、ヒップホップソウルと呼ばれていた時期があります。
その音楽で踊るダンスもヒップホップと呼ばれるようになり、そこからヒップホップダンスが誕生しています。
これはヒップホップダンスの起源とも言えます。
ニュースクールのダンス
ニュースクールは「ニュー」という言葉通り、1980年代にはなかった新しいダンススタイルです。
新世代のダンサーたちがこれまでのダンスとは違うということを強調するために、「ニュースタイルのストリートダンス」と定義しました。
それにより「ニュースクール(第2世代)」という言葉が発生したために、「オールドスクール(第1世代)という言葉が生まれています。
ストリートダンスの中でヒップホップダンスはニュースクールに分類されます。
ニュースクールは従来のヒップホップ(文化)によく見られた、太いゴールドネックレスやゴールドの指輪、犯罪(ギャング)といった不良的な要素を排除しました。
純粋に音楽やダンスが好きで、仲間とともに楽しむものとなり、新し価値観を作りました。
ストリートダンスの歴史を見ると、ヒップホップダンスが生まれる前にいろんなジャンルのダンスがあります。
ヒップホップダンスはそういった影響を受け、常に進化しているジャンルです。
日本とヒップホップダンスの流行と歴史
1990年代からのニュースクールにヒップホップダンスが分類されるため、日本での歴史は意外と浅いです。
ヒップホップダンス日本でが広まるきっかけ
アメリカではニュージャックスイングの流行後(1984年頃)、新しいダンスが踊られるようになりました。
これがヒップホップダンスの始まりです。
MOP TOPやMystidous Misfitesなどがヒップホップダンスの基礎を築いた有名なチームです。
日本では1980年後半~90年初頭頃にニュージャックスイングの音楽とともにヒップホップダンスがやってきました。
それ以前から日本でダンスは流行っていましたが、ヒップホップダンスが一気に流行った歴史上のきっかけは1994年のElite Force(エリート・フォース)の来日です。
世界的に有名なヒップホップダンスチームのレジェンドで、ヒップホップダンスの創始者(オリジネーター)です。
当時の日本で行われたダンスショーです。
ELITE FORCE 90’s
オリジナルメンバーはBuddha Stretch(ブッダ・ストレッチ) Henry Link(ヘンリー、Linkとも呼ばれる)、 Loose Joint(ルース・ジョイント)の3人がいます。
エリート・フォースは、マライア・キャリーやマイケル・ジャクソンのバックダンサーを務めたことで有名になりました。
日本でレジェンドダンサーも誕生
日本でヒップホップダンスが一気に流行った1990年代は、人気のダンス番組があったりレジェンドダンサーも誕生しています。
- 1988年
ダンス甲子園(天才・たけしの元気が出るテレビ!!) - 1989年
DADA L.M.D
ダンス甲子園は当時のダンスブーム(第二次ダンスブーム)のきっかけとなった番組です。
1996年まで続き、後のダンスシーンをけん引するダンサーを輩出しました。
日本でのストリートダンスの歴史として知っておくべき番組です。
L.L.BROTHERS・電撃チョモランマ隊・IMPERIALなどがいます。
ダンス 90’s 21(L.L. BROTHERS)
2006年にダンス甲子園が復活し、2014年まで続いたので若い人も知っている人がいると思います。
1989年はDADA L.M.Dという番組からL.M.Dというダンスチームが生まれました。
後のZOOやJ SOUL BROTHERSに発展していきます。
EXILEのHIROは元ZOOのメンバーで、当時はドリカムのバックダンサーなどしながら活動していました。
解散後に再起するために「J SOUL BROTHERS」を結成しています。
他にも1990年代後半にはBABY NAILやMO’PARADISEなどのレジェンドダンサーが誕生しています。
BABY NAILは、EXILEのMAKIDAI、USA、松本利夫(MATSU)、現在はポッパーとして名を馳せるRYUZYから結成されたチームです。
ダンスシーンをけん引し続けているダンサーたちです。
Baby nail ’97
こういったダンサーの影響で若者の間での本にヒップホップダンスが広まっていきました。
ヒップホップダンスが日本で流行る前の歴史
ヒップホップダンスが日本に入ってくる前から、ダンス自体はありました。
日本でストリートダンスが大きく広まったきっかけは、1983年に公開された「フラッシュダンス」という映画です。
ヒップホップダンスの映画ではないのですが、映画のシーンの一部に路上でブレイクダンスやポップダンスをしています。
そのシーンが大きな影響を与え、日本ではブレイクダンスをする人が急増したという歴史があります。
フラッシュダンスを境に、ヒップホップ映画「ワイルドスタイル(1983年)」やブレイクダンスブームを巻き起こした「ブレイクダンス(1984年)」が公開されています。
他にも2004年代にはストリートダンス映画「YOU GOT SAVED(2004年)」、クランプダンスを有名にした映画「RIZE(2005年)」といった、ダンスシーンが見どころ満載の映画があります。
You Got Served (2004) – Opening Dance Battle Scene (1/7) | Movieclips
これらは多くのダンサーに影響を与えています。
ちなみに僕もこれらの映画は見ましたが、特に2004年の映画は強く影響を受けましたね。
ヒップホップダンスだけでなく、ダンスバトルが盛りだくさんでかなり勉強にもなります。
日本でヒップホップダンスが流行した歴史のまとめ
日本でヒップホップダンスが流行したきっかけは、エリートフォースです。
ニュージャックスイングあたりから、ヒップホップダンスは始まっていますが、日本で一気に認知された出来事となりました。
これはヒップホップダンスと日本の歴史としてかなり重要です。
当時に誕生したレジェンドダンサーは今もなお、ダンスシーンを作っています。
今後もヒップホップダンスは、新しい歴史を作り続けるでしょうね♪