ヒップホップダンスは、他のストリートダンスと比べて種類(スタイル)が細分化されています。
一概に「コレがヒップホップダンスの○○スタイルです!」と説明するのは難しいのですが、代表的な定番のヒップホップダンスの種類を6つ解説します!
また、ストリートダンスとの違いや、ヒップホップダンスとは違うのですが、派生したようなスタイルも3つ紹介しています。
ストリートダンスとヒップホップダンスの違い
ヒップホップダンスの前によくある疑問として、ストリートダンスとヒップホップダンスの違いについてお伝えします。
ストリートダンスはカテゴリー
ストリートダンスとヒップホップダンスの違いは、カテゴリーかジャンルかの違いです。
代表的なストリートダンスは、ヒップホップダンス、ブレイクダンス、ロックダンス・ハウスダンス、ポップダンスの5種類があります。
ストリートダンスはこれら複数のダンスジャンルの総称であって、一つのダンスジャンル(種類)ではありません。
ヒップホップダンスはストリートダンスの中に含まれるジャンルで、ヒップホップダンスにはさまざまな種類があります。
ヒップホップダンスの特徴
ヒップホップダンスの種類を知る前に、ダンス的な特徴や歴史も知っておくといいと思います♪
独自のリズム取りで踊る
ヒップホップダンスは、ストリートダンスの中で最も代表的なダンスジャンルで、ヒップホップミュージックやR&Bで踊ります。
エアロビクスのような一定のリズムとは違い、アップやダウンのリズムや、うねるようなリズムなど、独特のノリをキープします。
時代や音楽で呼び方が変わる
ヒップホップダンスは時代や音楽によって呼び方や躍りが大きく変わります。
- オールドスクール(1970年代~)
ブレイキン、ロック、ポップ、ワックなど - ミドルスクール(1980年代後半~)
ニュージャックスウィング、ビバップなど - ニュースクール(1990年代~現代)
ヒップホップ、ハウス、クランプなど
※ ミドルスクールは日本独特の呼称で、海外では1970年代~のオールドスクールと1990年代~のニュースクールの2つ
細かなことを抜きにして、主にヒップホップダンスは、ニュースクールに区分され、その中でさらに細かく種類が分けられている、という感じです。
ミドルスクールやニュースクールは広い意味で使われるので、ストリートダンスの区分(ジャンル)だけでなく、ヒップホップダンスのダンススタイルとして使われることもあります。
定番のヒップホップダンスの種類
ここから、代表的な定番のヒップホップダンスのスタイルをご紹介します。
- ミドルスクール
- ニュージャックスイング
- アンダーグランドヒップホップ
- LAスタイル・R&Bヒップホップ
- ガールズヒップホップ
- ストリートジャズ・ヒップホップジャズ
この6種類が(8種類)が定番や人気の種類です。
ミドルスクールやアンダーグランドヒップホップは、昔からあるベーシックなTHEヒップホップダンスという感じで、力強さやいかつさがある重厚なダンススタイルです。
ガールズヒップホップはいかつさだけでなく、女性的な要素を加えたスタイル。
LAスタイルやストリートジャズは、スタイリッシュで海外のPVのような現代的なダンスです。
男女を問わず、幅広い層に人気があります。
middle school(ミドルスクール)
ニュージャックスウィング(後述)と近い存在でニュージャックスウィングはノリノリで軽快なステップに対し、ミドルスクールは遅めの曲で重くリズムを取るのが特徴です。
ミドルスクールは動き的にはニュージャックスウィングと似ていて、使う曲によって雰囲気やニュアンスが変わるといった感じです。
New Jack Swing(ニュージャックスウィング)
ニュージャックスウィングの特徴
服装や髪型が特徴的で、テンポの早い曲を使い、一つ一つのステップが大きく、リズムよくステップを多用して踊る
ニュージャックスウィングは、本来は音楽(ヒップホップミュージック)のジャンルで、ニュージャックスウィングという音楽スタイルが流行った時のダンスです。
ヒップホップダンスに分類されることもありますが、一つのスタイルとして確立されています。
とにかくノリノリで踊りたい人にオススメ!
MC HAMMERやBOBBY BROWNなどのアーティストの登場で、一気にダンスが注目されるようになりました。
>>Bobby Brownの動画はこちら
>>MC HAMMERの動画はこちら
ニュージャックスウィングで踊るアーティストから多くのステップが生まれ、一つのダンススタイルとなり、現代のヒップホップダンスに繋がっています。
ダンス甲子園に出演していたL.L. Brothers(ダンサー)は有名ですね。
また、EXILEのダンスはニュージャックスウィングやミドルスクールに近いスタイルで、3代目J Soul Brothersがきっかけで流行った、ランニングマンは代表的なステップの一つです。
underground hiphop(アンダーグラウンドヒップホップ)
重めの音に合わせて、より大きく重く深くリズムを取ったりステップを踏むようなスタイルで踊るのが特徴です。
アンダーグラウンドヒップホップがミドルスクールに区分されることもありますが、厳密にはミドルスクールとヒップホップ(ニュースクール)をミックスした躍りです。
深くリズムを取ったり、大きく体を動かします。
重めの音楽や迫力があるダンスが好きな人にオススメ!
HEXBEX、screamgoodman、SASなどが有名(ダンサー)です。
アンダーグラウンドヒップホップは日本独自の呼び方で、ダンススクールでもあまり見かけませんが、重く深くを重視したヒップホップダンスはミドルスクールを教えているレッスンで習えます。
(ちなみに僕は重めが好きで、ミドルスクールやアンダーグラウンドヒップホップを中心に踊っていました)
ニュースクールとは、1990年代以降の新しいスタイルで比較的何でもあり。色んなジャンルの技を取り入れたり、古い躍りや新しい躍りを取り入れたりと、自由度が高いスタイル
GIRLS HIPHOP(ガールズヒップホップ)
上半身を大きく使った腰や胸などの動きが特徴です。
女性らしい動きや重く深くという、本来のヒップホップダンスの要素が強いダンススタイル(ミドルスクールと共通する部分がある)です。
GIRLS HIPHOPは日本特有のジャンルで、セクシーとクールさを兼ね備えたAIのような、動きにメリハリのあるスタイルです。
女性的なカッコよさがあるダンスが踊りたい人にオススメ!
LA STYLE(エルエースタイル)/R&B(アールアンドビー)
LA STYLEはSTYLE HIPHOPやR&Bスタイルとも言われ、R&Bに合わせて独自の感性や表現を生かし、リリカル(歌詞に合わせて表現する)に重点を置いたようなスタイルで踊るのが特徴です。
足元や指先など細部にこだわる繊細なスタイルです。
スローテンポなバラードでも踊るため、曲によってダンスのテイストがかなり変わります。
アーティストだと、Omarion、Beyonce、Usher、三浦大地が参考になります。
海外アーティストのPVや映画などで踊られているダンスは、LA STYLEや、ジャズをベースにしたJAZZ HIPHOP、R&Bスタイルが多く、エンターテイメント界で幅広く浸透しています。
動きが細かくてリズムの取り方が難しいですが、アーティストのようなダンスが踊りたい人にオススメ!
LA STYLE、STYLE HIPHOP、R&B styleは呼び方は違いますが、スタイルが似ているのでここでは同じ括りにしています
最近のR&B的なダンスは、ヒップホップダンスというよりJAZZ寄りです
STREET JAZZ(ストリートジャズ)/HIPHOP JAZZ(ヒップホップジャズ)
ヒップホップジャズやストリートジャズは、リズム感やパワーなどヒップホップをベースに、キレや美しさなどのジャズ要素を取り入れたスタイルで踊るのが特徴です。
セクシーでカッコいいダンスが踊りたい人にオススメ!
アーティストだと、Janet JacksonやBritney Spears、BoAや倖田來未です。
ジャズ系はバレエの要素が入ります。
ジャズヒップホップは、ジャズダンスをベースにしており、ヒップホップ要素を取り入れ、しなやかで力強くスタイリッシュなダンスです。
キレに重点を置き、アーティストのバックダンサーの振り付けとしても頻繁に使われています。
ちょいとマニアなヒップホップダンスの種類
前述したヒップホップダンスの種類は、知名度が高い定番のスタイルですが、ヒップホップダンスとは少し違いますが派生したような種類を紹介します。
クランプ
クランプは、LAの超危険区域で生まれたダンスです。
殴るように腕を振ったり、かなり攻撃性があります。
振り付けを踊るというより、怒りなどの感情を体で表す激しいダンスです。
2006年に「RIZE」というドキュメンタリー映画が日本で公開され、これをきっかけに始めた方も多いのではないでしょうか。
STREETKINGDOM JAPANやTwiggz Famいう日本最高峰のダンスチームが有名です。
シェイク
シェイクは、膝も連動させながら、肩や腕を上下にカクカクと振りながらリズムをとるのが特徴です。
一時期ダンスジャンルとしてシェイクは大流行しました。
ハーレムシェイカーズ(ニューヨーク)が流行させたダンススタイルと言われています。
シャッフルダン
シャッフルダンスはEDMを使い、小刻みにステップを踏むのが特徴です。
オーストラリア(メルボルン)のレイヴクラブで発祥したメルボルンシャッフルから発展したスタイルです。
ヒップホップダンスの基本ステップ(ランニングマンなど)を使いますが、EDMで踊るのでとにかく曲が早くステップも必然的に高速です。
ヒップホップダンスは進化を続けるジャンル
ヒップホップダンスは流行りの振付や技があり、時代によって変わり続けているジャンルです。
種類を見ても、最初から6つあったわけではありません。
時代によって種類が変わる
ヒップホップダンスは、音楽や時代とともに呼びや躍りが変化しているので、この音楽(時代)はこのステップ!みたいな流行りや特徴があります。
代表的な流行りは、例えばミドルスクールならランニングマン、他にもヒップホップダンスから派生したシェイクやクランプが世界的に流行りました。
時代と共に変化する、この流れは今でも変わらず、新しい音楽の誕生とともに色んなダンススタイルが生まれています。
ダンサーによって踊り方が全く異なる
ヒップホップダンスは様々なスタイルがあり、他のジャンルの動きを取り入れたりオリジナルの動きを生む、まさに「型にハマらない自由」なジャンルです!
ある程度の特徴はあっても、同じステップでも重く踊ったり軽く踊ったり、ダンサー(インストラクター)によって同じジャンルでも躍り方が全く異なります。
同じヒップホップダンスでもダンサー(インストラクター)によって踊り方が全く違うので、いろんなレッスンを体験すると「どれがヒップホップ?」と最初は戸惑うかもしれません。
ダンススクールに通う場合は、HIPHOPや××STYLEなどの言葉だけを鵜呑みにせず、あなたが好きだと感じるダンススタイルを教えているインストラクターを見つけてくださいね。
ダンススタイルや種類の捉え方も違う
紹介したヒップホップダンスのスタイル(種類)をまとめてみると、
- ノリノリでリズムよくステップを踏む躍り
ニュージャックスウィング(ミドルスクール) - 重く深くを重視した躍り
ミドルスクール、アンダーグラウンドヒップホップ、女性的な要素をプラスするならガールズヒップホップ - バックダンサーやアーティストのような躍り
ジャズヒップホップ、ヒップホップジャズ、LAスタイル
このような感じで分けられます。
ヒップホップダンスは、色んな種類と呼び名があって躍り方も多種多様ですが、どれも同じヒップホップダンスです。
ヒップホップダンスの種類で、ニュージャックスィングは特徴的なスタイルですが、それ以外のスタイルは呼び方が違うだけで似ているため、人によってダンスジャンルと参考アーティストの捉え方が多少違ってくると思います。
例えば、ここではGIRLS HIPHOPはAIと書きましたが、BEYONCEや安室奈美恵と言う人もいるでしょう。
ただ、どんなヒップホップダンスを踊るにしても、第一にヒップホップダンスが踊れることが大前提です。
目指しているアーティストがいたり、踊りたいスタイルがあっても、まずはヒップホップダンスの基礎を身に付けてくださいね!
ヒップホップダンスの種類とストリートダンスの違いのまとめ
ヒップホップの代表的なダンススタイルを紹介しましたが、細かすぎて混乱するかもしれません。
でも、なんとなくイメージできればいいんです。(^o^)
もし、どんなヒップホップがいいかな~と迷っているなら、最初はこだわるより、いろんなダンススタイルにチャレンジした方がいいですよ!
同じヒップホップでも踊りかたが違うので、それぞれのダンススキルが身に付くし、あなたが踊りたいスタイルがきっと見つかりますよ!