新常識!ダンス前のNGストレッチと順番
ダンスに限らず、スポーツ前には必ずストレッチをやりますよね。
ですが、ほとんどの人が行っているダンス前のストレッチは逆効果です。
ストレッチの種類や順番によって、ダンス前のストレッチが体の機能が低下したり、怪我を誘発するなど、パフォーマンスを低下させてしまうのです!
ここでは、ダンスに効果的なストレッチや順番、目的、種類などを紹介します。
ストレッチには2種類ある!
ストレッチには、静的ストレッチと動的ストレッチの2種類があり、それぞれやり方が違います。
静的ストレッチ(スタティックストレッチ)とは?
一般的に多くの方がストレッチと聞いてイメージするのがこちらのストレッチです。
特定の筋肉を一定の方向に10秒くらい静止して、ゆっくり伸ばします。
腕を伸ばしたり、前屈で「痛い痛い、、」と我慢してやるやつですね。
動的ストレッチとは?
「ストレッチは反動をつけちゃダメ」と認識されていますが、動的ストレッチは複数の方向へ反動をつけて行うストレッチです。
動的ストレッチはダイナミックストレッチとバリスティックストレッチがあります。
ダイナミックストレッチは収縮と伸長を繰り返すことで筋肉を伸ばしていきます。
代表的なものは、膝の屈伸運動や肩回しがあり、ラジオ体操も大まかにダイナミックストレッチに分類されます。
関節を回したり曲げ伸ばしをして、軽い動きを加え、いろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げるストレッチです。
バリスティックストレッチは、伸長の最後で反動をつけて筋肉を伸ばします。
ひとつの動作を少しずつ大きくして、間接の可動域を目一杯動かして広げます。
反動をつけてアキレス腱を伸ばしたりするのが、まさにこれです。
ストレッチの効果とは?
静的ストレッチの効果
- 柔軟性の向上
- リラックス効果
- 老廃物の排除(疲労回復)
静的ストレッチは、可動域の限界まで伸ばした姿勢を維持するので、可動域が広くなったり柔軟性の維持に効果があります。
静的ストレッチを毎日続けると柔軟性をキープできますよ!
また、筋肉に蓄積された疲労物質が流れやすくなり、心身のリラックス効果も期待できます。
動的ストレッチの効果
- 体(筋肉)を温める
- 筋肉の柔軟性や可動範囲を広げる
- ケガの予防
主に動的ストレッチは、筋肉をほぐし、刺激を与えることで体が準備モードにスイッチが切り替わり、パフォーマンスアップが期待できます。
また、体をいろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げたり筋肉を柔らかくするため、筋肉の活動が活発化して、怪我防止につながります。
新常識!ダンス前に避けたいストレッチ
前述したように、どんなストレッチをするかによって得られる効果が違うため、目的に合ったストレッチをやらないと逆効果になってしまいます。
ダンス前に避けたいストレッチは、ずばり静的ストレッチです。
腱や筋肉は伸び縮みすることで衝撃を吸収するクッションの役割があります。
いきなり静的ストレッチで腱や筋肉を伸ばしてしまうと、伸びきって固まってしまい衝撃を吸収できずにケガをしやすくなります。
なので、ダンス前のストレッチは、体(筋肉など)を伸ばすのではなく温めることが重要です。
静的ストレッチの目的は、筋肉に蓄積した老廃物を流れやすくして排出することで、主に体のケアに効果的。
一方、動的ストレッチの目的は、筋肉をほぐして温め、可動域を広げることで、運動前の準備に効果的。
つまり、動的ストレッチはウォーミングアップ、静的ストレッチはクールダウンに向いているということ。
これを知らずに、良かれと思ってダンス前に静的ストレッチだけをガンガンやっていると、ストレッチによって体が悪影響を受け、ダンスパフォーマンスも低下します。
これまでは運動前のストレッチといえば、静的ストレッチ=柔軟をしておけばいい、という認識が当たり前でしたが今は真逆です。
ストレッチだけでなく、筋トレも要チェック!
>ダンスに腹筋は無意味!?体幹の誤解と鍛え方
ストレッチを最大限に生かす効果的な順番
ダンスの練習前は静的ストレッチだけをやらない
ダンス前の静的ストレッチはダメと書きましたが、これは静的ストレッチ「だけ」をやるのが良くないだけで、ダンス前に静的ストレッチを行うこと自体がダメということではありません。
ややこしい書き方で申し訳ない(^^;)
静的ストレッチも動的ストレッチもダンス前に必要ですが、上手く使い分けることが大切。
僕もそうでしたが、静的ストレッチと動的ストレッチを気にせずに、適当にストレッチをやっている人って多いと思います。
(独学でやっていた時と、専門学校に行った時のストレッチは、やり方が全然違ってビックリしました、、)
とくに、ダンスは体が硬いよりは柔らかくした方がいいので、柔軟を重視して、無意識に静的ストレッチばかりをやってしまいがちです。
でも、ちゃんと目的や効果を理解してストレッチをやらないと、ケガをしたり、本来の力が発揮できないので注意しましょう。
柔軟の危険性に関する詳細はこちら
>驚愕!ダンスで柔軟性が危険な理由
2種類のストレッチを混ぜる
静的ストレッチで関節や筋肉の可動域を広げ、動的ストレッチも行えば、可動域を広げながら筋肉をほぐして体を温めることができるので、ダンス前は2種類のストレッチを行いましょう。
動的ストレッチ
↓
静的ストレッチ
↓
ダンス練習
↓
練習後に静的ストレッチ
ダンス前のストレッチはこの順番が効果的です。
30秒以内で行う
実は運動前に静的ストレッチをやってはいけないといった考え方もあるのですが、運動前にやる静的ストレッチは一つの動作を10秒くらいで行えば問題ないという意見もあります。
30秒以上やるとパフォーマンスの低下が始まるというデータがあるため、運動前にやりすぎると逆効果になります。
こういったことから、運動前は静的ストレッチを止めて、「動的ストレッチのみ」もしくは「動的ストレッチ → 静的ストレッチ」の順番がいいとされています。
「静的ストレッチ → 動的ストレッチ」の順番が絶対にダメ!というわけではないですが、運動前は、軽く動的ストレッチからやるのが最適です。
運動後の静的ストレッチは20秒から30秒くらいかけてじっくり行ってください。
練習後に静的ストレッチをやるのとやらないのとでは疲労感や回復度合いがだいぶ違います!
とくに運動不足の人はゆっくり体をほぐす
ダンス前は、「動的ストレッチ → 静的ストレッチ」の順番が効果的と書きましたが、とくに、体がバキバキに硬い人や運動不足の人は要注意。
運動前のほぐれていない体に対して、静的ストレッチのような、いきなり限界まで伸ばすストレッチをやると、逆に体が固まってしまいます。
さらに、動的ストレッチは強度が高いものも多く、筋肉や腱を痛めやすいデメリットがあるため、静的ストレッチよりも体に負担がかかる部分があります。
体への負担を考慮して、練習前の動的ストレッチや静的ストレッチをやる前に、軽く足首を回したり手足をぶらぶらさせるなど、軽い動作を取り入れたり、強度が弱い動的ストレッチを取り入れましょう。
ラジオ体操は負荷がちょうどいい動的ストレッチなので、運動前にがっつり動的ストレッチや静的ストレッチをやる前に、軽くラジオ体操の動きを取り入れると適度なウォーミングアップになりますよ!
体が温まった!と感じるまで行いましょう。
ラジオ体操はかなり万能なダンス前の動的ストレッチです。
僕もダンス前にいくつかのラジオ体操を取り入れていたのですが、ほどよいウォーミングアップになります。
どの動きも体への負荷が軽いので、運動不足の方は、ダンス前にラジオ体操の動きを取り入れると無理なくストレッチができますよ!
また、アイソレーションもダンスのウォーミングアップになるので、ストレッチの次に基礎練習(アイソレーション)をして、本格的に振り付けなどのダンス練習に取り組むといいですよ!
運動後や就寝前のストレッチは要注意
これは、動的ストレッチに限定されるのですが、運動後や就寝前などに激しい動的ストレッチを行うと、運動によってダメージを受けた筋肉をさらに損傷させてしまう可能性があります。
また、動的ストレッチは、交感神経が優位になり体が覚醒する効果もあるため、就寝前に行うことで不眠や睡眠の質が低下するので避けてください。
逆に静的ストレッチは運動後や睡眠前に行うと、副交感神経が優位になるので、不眠や冷え性でお悩みの方にもオススメですよ!
ストレッチを行なうときのコツと注意点
ゆっくりと行なう
静的ストレッチは静かにゆっくりと筋肉を伸ばします。
動的ストレッチは強度が高いものもあるので、あなたの身体の状態に合わせて、いきなり大きく激しく動かさないようにしましょう。
呼吸を止めない
基本的にストレッチはゆっくり大きく息をして自然呼吸で行います。
体制がキツイとついつい歯を食いしばったり息を止めてしまいがちなので、リラックスして行いましょう。
強い痛みはいらない
ストレッチは痛みを我慢するイメージがありますが、少し痛みを感じる程度で十分です。
強い痛みを伴うストレッチや、伸ばした状態で数十秒と長く維持すると、逆に筋肉の緊張を高めてしまう可能性があります。
筋肉の伸びを感じる
ストレッチは「痛気持ちいい」くらいで、筋肉の伸びを感じることが大切です。
見本通りに同じポーズでストレッチをしても、あなたが伸びを感じなければあまり効いていません。
柔軟性や筋肉の状態などは人それぞれ違うので、見本はあくまでも目安にして、自分が気持ちいいと感じるポジショニングややり方を見つけてください。
さいごに
ダンス前のストレッチは、無理のない範囲で行いましょう。
ストレッチの順番ややり方に注意して、いきなり激しく伸ばしたり曲げるようなストレッチは避けてくださいね。
疲労回復のために、練習後のストレッチもお忘れなく!