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ダンスのケア・筋トレ

体幹の誤解と鍛え方|ヒップホップダンスに腹筋は効果なし?

ダンスに効果的な体幹トレーニング

ダンスパフォーマンスをアップさせるのに大切なのが体幹(インナーマッスル)です。

大まかに体幹は胴体部分、インナーマッスルは身体の深い筋肉です。

厳密には、どこの部分を示すのかは、人によって、また、広義や狭義という意味でも違ってくるのですが、なんにせよ、腹筋は体幹に大きく関わっており、体幹を鍛える筋トレに欠かせない要素です。

特にダンスの場合、体の軸を安定させたりキレよく踊るためには、この腹筋(体幹)を鍛えることが超重要です!

ですが、ダンスはよく「体幹!インナーマッスルを鍛えろ!」と言われますが、体幹とインナーマッスルについて誤解が多いです。

また、腹筋といってもいくつか筋肉があり、単に腹筋を鍛えるだけのトレーニングをやっても意味がありません。

ここでは、体幹の効果と鍛え方や、誤解について解説します。

これから体幹トレーニングをやろうと思っている人は是非読んでくださいね。

重要な腹筋とは?定番の体幹トレーニングはダンスに無意味?

ダンスで重要な腹筋にはどんなものがあるのでしょう。

実はよくある腹筋や体幹トレーニングではダンスで重要な腹筋は鍛えられません。

ダンスに必要な腹筋とは?

腹筋には3つの層があり、腹直筋、腹横筋、腹斜筋があります。

インナーマッスルの解説
引用元:http://www.homepage-tukurikata.com/hp/folder.html
・腹直筋:鍛えるとボコボコと割れる筋肉(6パック)
・腹斜筋:ウエストをキュッと絞るお腹を斜めに走る筋肉
・腹横筋:お腹のコルセットとして内臓を正しい位置に収めて姿勢を保持する

ダンスの動きを機敏にさせるなら注目すべきは腹横筋!

いわゆるインナーマッスル(ローカルマッスル)の一つですね。

腹横筋はあらゆる動作を行う際、真っ先に活動すると言われています。

たとえば、普通の状態から手を動かす時に、まず最初に働くのは腕の筋肉でも肩の筋肉でもなく腹横筋なのです!

腹横筋が最初に活動し、体幹を安定させてから手足などの筋肉が働くため、この腹横筋が弱いと体幹が不安定になり腰への負担が増えてしまいます。

ちなみに、腰痛患者はこの腹横筋が先に活動せず、手足の動きに遅れて腹横筋が活動してくるそうです。

腰痛はダンスで多いケガですが、腰痛の緩和や改善にも大切ということですね。

この見えないコルセット(腹横筋)を鍛えることで、体の軸が安定し、手足にしっかりパワーが伝わるため機敏な動きが可能になります。

すなわち、ダンスにキレが出る!キレが増す!ということです。

体幹はプランク(ブリツジバランス)で鍛えられない

普通の腹筋(クランチ)もそうですが、よく紹介されている体幹トレーニングと称した筋トレがありますが、インナーマッスルよりも、腹直筋(アウターマッスル)をメインで鍛えるものが多いです。

体幹トレーニングで定番のプランク(ブリッジバランス)がそうです。

体幹トレーニングのプランク

意味がないトレーニングではないですが、腹横筋を鍛えるには不十分です。

腹横筋をダイレクトに鍛えられず、いくら体幹トレーニングで腹直筋だけを鍛えてもかなり非効率だし、体幹を強くする事はできないのです。

また、ベンチプレスやスクワットなどバーベルを使った強度が高いトレーニングでは、より体幹を安定させるためにベルトを使って物理的に腹横筋の効果を高めます。

このことからも、いかに腹横筋が体幹力に深く関わる筋肉なのかがわかると思います。

ダンスの体幹とインナーマッスルのよくある誤解

ダンスのために、これから体幹トレーニングをして、インナーマッスルを鍛える上で、いろんな誤解があるので、確認しておきましょう。

ダンス前のストレッチも誤解が多いので要チェックです♪

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【誤解その1】体幹=インナーマッスル

体幹と聞くと「インナーマッスルのことか!」と誤解されがちですが、体幹=インナーマッスルではありません。

  • 体幹:頭、腕、脚以外の胴体(胸、腹筋、背中、腰回り、お尻)
  • インナーマッスル:体の深い場所にある筋肉の総称

インナーマッスルは曖昧で人によってさまざまな考え方がありますが、医学的に体幹はローカル筋とグローバル筋に分けられます。

  • グローバル筋:腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋など
  • ローカル筋:腹横筋、多裂筋、大腰筋など
    (インナーマッスルとして紹介される場合は、腹横筋だけでなく腹斜筋も含まれることがある)

ローカル筋は背骨に直接つながっている深層部の筋肉で、よく聞くインナーマッスル(体幹として)はこれを指しているようですね。

体幹力を上げる体ための幹トレーニングでは特にローカル筋を鍛えることが重要で、背骨の動きを安定させて姿勢を調節し、体の芯を作る重要な筋肉です。

ダンスで体の軸の安定に必要なのもローカル筋なので、「インナーマッスルを鍛えろ!」と言われるわけですね。

【誤解その2】インナーマッスルを鍛えれば体幹トレーニングになる

体幹トレーニングは胴体部分の筋トレです。

インナーマッスルだけでなく、腹筋や背筋を中心にアウターマッスルも鍛えられます。

しかし、前述したように体幹=インナーマッスルではないため、インナーマッスルを鍛えればそれが体幹を鍛えていることにはならないので体幹力も上がりません。

体幹を鍛えるためには、先述したように「ローカル筋」を鍛えなければ、効果的な体幹トレーニングにはならないのです。

【誤解その3】体幹トレーニングでしかインナーマッスルを鍛えられない

体幹トレーニングでイメージが強いインナーマッスルですが、普通の筋トレ(腹筋やダンベルやバーベルなどの器具を使ったトレーニング)で鍛えられるものです。

そもそも体幹トレーニングは筋トレなので、特別なトレーニングではないですからね。(^o^;)

筋トレ自体がインナーマッスルを使わずに鍛えることは難しく、インナーマッスルが弱い人は、必然的にアウターマッスルも弱い(体の筋力が弱い)ということになります。

ダンスで重要な腹筋は腹横筋を鍛えるべし!

ダンスでよく取り組まれている体幹トレーニングは腹筋ですが、通常の腹筋では不十分なので注意しましょう。

簡単♪体幹を効率的に鍛える方法

簡単かつ効率的に体幹を鍛える方法をご紹介します。

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ドローイン

ダンスで重要な腹横筋は呼吸筋とも言われ、お腹に力をいれてへこましている時はベルトが締まっているような状態で、これがコルセットのように働いて体幹と腰回りを安定させます。

腹横筋だけを狙って鍛えるのは難しいですが、集中的に腹横筋を鍛えるためには「ドローイン=お腹をへこますこと」がポイント!

ドローインとは腹横筋を鍛えることができる呼吸法です。

鍛えるというより、意識しにくい腹横筋をうまく使えるようにする練習という感じですね。この呼吸法をマスターして筋トレに加えましょう。

1.大きくゆっくり鼻で息を吸う
2.ゆっくり口から息をはいてお腹をへこませる
(お腹をへこませて約20秒キープするなど方法はさまざまある)

バランスディスク

体幹とレーニングとして僕のイチオシは、手っ取り早く効率的に鍛えられるバランスディスクやバランスボールを使ったトレーニングです。

バランスディスクやバランスボールはドローインの呼吸法を意識しなくても、腹横筋を鍛える体幹トレーニングになります。

というのも、ローカルマッスル(腹横筋)をいかに刺激できるかを調べた研究によると、腕も足も不安定な状態で運動をすると、腹横筋の活動量が増えたそうです。

※ 参考論文:効果的な体幹筋トレーニング方法の検討-異なる運動における腹横筋と内腹斜筋の収縮厚から-

これは足だけを不安定にさせたトレーニングでも腹横筋に効くという結果が出たようですが、研究結果から空中姿勢を維持するトレーニングの方がより効果的に鍛えられることがわかりました。

論文では空中姿勢をキープするトレーニングとしてレッドコードトレーニングと書かれています。

下記のような体操競技のつり輪みたいなやつです。

レッドコードトレーニングは自宅では難しいのですが、バランスディスクを使えば簡単です。

バランスディスク×1のトレーニングのやり方

・プッシュアップバーを握り、バランスディスクに両足を乗せて腕立て伏せを行う
・動画は大胸筋も鍛えるためにプッシュアップバーを広い幅に置いて腕立てを行っていますが、体幹を鍛えるならバランスディスクに変えて行うと効果的です
・腕立てでなくても、プランクのように姿勢をキープするだけでもOK

・動画では1つのバランスディスクに両足を乗せて行っていますが、2つ用意して片足にずつ乗せてもいいですね。
バランスディスクの体幹トレーニング
・2つ使えば、トレーニングの強度をあげることができます。


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足つぼのようなイボがないタイプもあります↓

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ダンスのキレを出すなら体幹トレーニングだけをやらない

筋トレは継続することで少しずつ成果が表れます

ダンスにキレが出たり、軸がぶれずに姿勢をキープできたりと、踊る姿も変わってくるはずです。

体幹を意識したトレーニングは、普通の筋トレと違ってかなり地味ですが、体幹は一度つくと取れにくい筋肉です。

たとえ週2しか筋トレができなくても、正しいフォームで集中的にトレーニングができればちゃんと鍛えることができるのです!

(できれば週3回取り組むのが理想です)

また、体幹トレーニングだけをやるよりも、やはり本質的に体の機能を高めるためには、全体の筋肉を鍛えないとあまり効果が望めません。

インナーマッスルだけでは、パフォーマンスが向上しないという研究データもあります。

体幹トレーニングさえやっていれば、劇的にダンスパフォーマンスが上がるわけではないので、体幹だけでなくバランスよく鍛えることが大切です。

一般的な筋トレだけでも筋力アップや体幹(インナーマッスル)を鍛えることができますが、体幹トレーニングは体幹を強く意識できます。

他のトレーニング(通常の筋トレ)の補強として、体幹トレーニングを加えて追い込むのが効果的です。

ダンスの体幹トレーニングの誤解と効果的な鍛え方のまとめ

体幹トレーニングは、特にダンスのキレを出したい人や、まったく体力がないって人に取り入れてほしいトレーニングです。

ダンスのキレがない、バランスが悪い人は、腹横筋を意識して体幹トレーニングを実践してみましょう!

ここで紹介した筋トレは、体幹や下半身も鍛えられ、体力作りにも役立つのでオススメですよ!

ダンスはスポーツと同じように、身体を強くして根本的に身体能力を上げることが重要です。

体幹トレーニングだけをガンガンやるのではなく、通常の筋トレも混ぜて上半身と下半身をバランスよく鍛えましょう。